37.5°cの涙の最終回を観ての感想や結末の続きについてなど。
2015/10/20
通常ドラマと言えば悪役の人も最終的には良い人になって終わるパターンが多いですが、37.5℃の涙はマンガが原作なのでそうキレイに終わることもないんだろうなと思いながら見てたところ、なかなか最後は凄い終わり方でした。
杉崎桃子の母親がなぜ毒親になったのか。理由が判明。
もともと桃子(蓮佛美沙子)は母親(浅野温子)にかなり虐待を受けていました。
毒親の浅野温子は長男と長女ばかり可愛がり、桃子にはとてつもなく冷たく接していましたが、ようやくその理由が判明しました。
桃子の兄と姉が生まれたまでは良かった杉崎家ですが、桃子を妊娠した際に桃子の父親が不倫に走ってしまいました。それがキッカケで、桃子の母親は「桃子さえ生まれてこなければよかったのに。」と思うようになりました。
それが原因で桃子に対しキツク当たっていたそうです。
だから桃子の父親は桃子が虐待されていてそれに気づいていながら、桃子を守ることができなかったようです。
まぁ自分の浮気が原因な訳ですからそれも分からないでもないですが、桃子からしたら全く自分に原因がないところで母親に虐待される訳ですからたまったものじゃないです。
桃子は朝比奈さん(成宮寛貴)と篠原さん(速水もこみち)のどちらを選んだ?
37.5℃の涙のテーマのひとつ、桃子と朝比奈さんと篠原さんの三角関係。
最終回ではハッキリとした答えが出た訳ではないですが、一応ひとつの結論が出ていました。
篠原さん家で篠原さん特製オムライスを食べた際に健太くんのいない所で篠原さんに対し「私は病児保育士として篠原さんと関わって行きたい。」と、以前受けたプロポーズの答えをしていました。
そして3ヶ月後、クリスマスパーティーをリトルスノーで行った後、神奈川支部に転勤になる朝比奈さんに対し
「朝比奈さんについて行きたいです。」と言っていました。
一方朝比奈さんも桃子にクリスマスプレゼントとして小さなガラス製の熊をプレゼントしていました。
朝比奈さんはプチドッキリで熊の首に桃子への指輪をはめていましたが、桃子は熊が相当嬉しかったのか指輪が付いていることにはその時気付いていなくて朝比奈さん苦笑いの場面はなかなか良かったです。
ハッキリと付き合うとか結論が出た訳ではないですが、この流れからすると桃子は篠原さんではなく朝比奈さんを選んだんだと思います。
ちなみに個人的には篠原さん(速水もこみち)は奥さんと仲直りしてまた一緒に暮らすと思ってたんですが、結局ドラマではそこは描かれていませんでした。これはちょっと意外でした。
全員に見捨てられた桃子の母親
杉崎家の問題に話を戻すと、母親から父の浮気とそれが原因で自分を虐待するようになったと知らされた桃子は、「リトルスノーを辞めて実家に戻ります。自分の居場所は母親のところなんです。」と朝比奈さんと柳さん(藤木直人)と関さん(水野美紀)に告げます。
そして自分のアパートに帰って来たらそこに桃子の兄(水上剣星)がいて、桃子にテープレコーダーを渡します。
テープレコーダーは父の遺品整理をしていたときに見つかったもので桃子の兄は「お前よくこれで落語聴いてたよな。俺ももっと早くに聴いておけば良かった。」と言います。
実はそのテープには父親から桃子に宛てたメッセージが録音されていて父親は桃子に「お前の居場所はお母さんのところじゃない。」と告げていました。
結局桃子は母親と縁を切り、桃子の兄と姉も母親とは距離を置く感じで終わっていました。
結局桃子の母親はひとりになってしまいました。
この辺りがマンガが原作になったドラマの凄さだよなぁと思いました。
原作モノじゃなければ最終的には桃子の母親も改心してめでたしめでたしで終わりそうですが、結局毒親は毒親のままで、家族全員に見放されて終わるのは凄いです。
原作はまだ続きがある
このような感じで終わったドラマ版37.5℃の涙ですが、原作のマンガにはまだ続きがあるようです。
一応マンガ版37.5℃の涙は3巻までで一区切りついていて、ドラマで放送したのも3巻の終わりまででした。
ただマンガ版37.5℃の涙では4巻が出ています。4巻では桃子は病児保育士になって1年が経っていて、桃子にチャラ男の後輩ができています。
そして桃子の幼少期から中学時代までの過去エピソードも描かれているようです。
37.5℃の涙のテーマは何だったのか
37.5℃の涙は
「病児保育士という仕事と各家庭の親子問題」
「虐待を受けて上手く笑えなくなった桃子の成長物語」
「朝比奈さんと篠原さんと桃子の恋の行方」
「杉崎家の家族問題」
このあたりがテーマのドラマだったんだと思います。連続ドラマの割にテーマが多く複雑で大風呂敷を広げた感じで締めが難しくなった感は否めませんが、個人的には毎回楽しみに見させてもらいました。
病児保育士としてはまだ半人前な所もあるし危なっかしいので、本職の病児保育士からすれば、病児保育士という仕事が誤解されるかもしれないと納得いかないかもしれません。
それも分かりますが、個人的に37.5℃の涙は病児保育士の仕事がメインのテーマではなく、やっぱり桃子の成長物語と杉崎家の家庭問題、というのがメインテーマだったんだろうなと思います。
そして親子関係、家族関係を描くにあたりそこに深みを加える為に桃子の職業を病児保育士にして、各家庭の抱える問題も一緒に描いた、と。
そんな感じの印象を受けました。
その点では桃子の兄も姉も改心していたし、桃子も人間的に成長でき最後の場面では病児保育士としてニッコリと自然な笑顔で終わっていたので良かったです。
ひとつ心残りは母親に救いがなさ過ぎたところだと思いますが、それがマンガ原作の良さなのかもしれません。